5月22日に行なわれるDCCJ&SKJ主催シンポジウム『映像革新!4Kの世界から見える最新技術とそのビジネスに与えるインパクト』において、『VFX映像パイプラインと生理的視覚効果』というテーマで講演いたします。
VFX映像とは、映像にデジタルによるヴィジュアルエフェクツ(視覚効果)を加えたものです。VFX映像の制作では、実写、CGとその合成過程が何重にも交差しています。そうしたVFXの複雑性(complexity)を整理して、論理的に組み上げたフローチャートがVFXパイプラインです。
このパイプライン上には、物理的に正確なデータ(シーンリニア)と人間の感覚に基づいた効果(ヴィジュアルエフェクツ)の二要素が複雑に絡み合っています。物理ベースのデータの扱いは、その特性から一つのパイプラインへ収斂されます。一方で、ヴィジュアルエフェクツには、経験や感覚などの人間の主観が作用するため、そのパイプラインは多様化し、VFXパイプライン全体の複雑性の要因となっています。
今回の講演では、こうした複雑性を解消するための方法の一つを示します。はじめにVFXパイプラインにおけるヴィジュアルエフェクツを定義します。続いて、VFXアーティストによるヴィジュアルエフェクツの様々な実例の詳細な比較分析を通して、一定不変の要素を指摘し、多様性が抑制されたパイプラインへと発展させます。
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